平成27年度 仙台市連合町内会長会役員研修会が開催されました
11月18日(水)午後、茂庭荘において平成27年度役員研修会(役員19名、事務局等関係市職員12名、合計31名出席)が開催されました。
研修会は、「地域内連携強化による地域課題解決策について」をメインテーマに、全体会でのオリエンテーション(7分)、3つの分科会(80分)、全体会(30分)の構成で行われました。
このテーマは、次のような理由で設定されました。
4層からなる仙台市の町内会は、身の回りの生活課題から市全体のまちづくりに至るまで、市政との円滑な協働を取りながら、適時適切にその役割を果たしてきましたが、今日に至り、人口流動の激化や少子高齢化が急速に進行する地域を中心に、活動の担い手が円滑かつ順調に育たない状態が続き、役員のなり手の硬直化や他人任せの風潮が蔓延する傾向が強まり、新陳代謝がうまく進まないため町内会活動の停滞や休止に追い込まれるところが出てきたことなどから、町内会活力向上策第2期専門検討として、今後の町内会活動を担う人材育成策に関し、根本的な専門検討を通じて、平成27年5月12日付けで、「仙台市連合町内会長会人材育成システム試行版」を取りまとめられました。
本試行版では、町内会活動を担う人材育成システムの基本方針として、@幅広い人材の登用と育成、A役職に応じたスキルアップ、B現任者とともに初心者(一般市民)の動機づけややりがいにつなげる、を掲げていますが、今回の研修会において、この3つの基本方針の実現に向けた具体的取り組み内容を検討し、今後の町内会活動を担う人材育成に役立てられるようにすることが重要である。
研修会は以下のとおり進められました。
1 開 会
2 会長あいさつ
3 オリエンテーション(全体会)〔会場:第3・第4会議室〕
〇資料確認
〇日程・分科会構成・分科会運営・同会場等確認
〇研修のねらい
〇研修の流れ
4 分科会
@第1分科会「幅広い人材の登用と育成の方法」〔会場:第3会議室〕
〔趣 旨〕 現役世代や女性を含め、青年・壮年・老年のバランスが取れるよう地域の多様な人材をいかに発掘するか。特に、団塊世代が定年退職の時期を迎えている現在、仕事で得た技術や経験を持つ彼らの参画は、地域活動の大きな力になると考えられることから、この世代を対象とした人材発掘と育成システムの構築について討議し、その答えや方向性を見つけ出していく。
〔司 会〕 市連長会庶務理事 菅 井 茂
〔話 題〕 青葉区花壇・大手町町内会・福島県いわき市自治会・町内会等活動の事例
〔記 録〕 地域政策課企画係長 佐 藤 一 正
〔参加者〕 役員6名、事務局等 3名
〔内 容〕 概要は全体会の発表のとおり
A第2分科会「役職に応じたスキルアップの方法」〔会場:第4会議室〕
〔趣 旨〕 町内会活動の担い手である会長、副会長、庶務、会計の三役、専門部長や専門部員、地区長等の役職に応じたスキルアップをいかにして図るかについて討議し、その答えや方向性を見つけ出していく。
〔司 会〕 市連長会理事 傳 野 貞 雄
〔話 題〕 本会「町内会活力向上策第2期検討結果報告書」、大阪市東大阪市の『校区コミュニティ・コンダクター養成講座「まちづくり未来塾」』など
〔記 録〕 市連長会事務局長 相 沢 良 雄
〔参加者〕 役員 6名、事務局等 4名
〔内 容〕 概要は全体会の発表のとおり
B第3分科会「現任者や初心者の動機づけややりがいにつなげる方法」〔会場:第5会議室〕
〔趣 旨〕 現在、町内会の役職に就いている方々はもちろんのこと、初心者(一般市民)の動機づけややりがいにつながるシステムをいかに構築するか。特に行事の手伝いに止まる層の一歩前進に向けた取り組みをどう図るかなどについて討議し、その答えや方向性を見つけ出していく。
〔司 会〕 市連長会会計理事 山 口 強
〔話 題〕 本会「町内会活力向上策第2期検討結果報告書」、東京都北区社会福祉協議会【定年退職者を目前に控えた方々対象講座】アクティブシニアのための地域活動スタート講座 基礎編「さあ、何か始めよう!50歳からの地域デビュー」、かごしま県民交流センター「メディア研修講座」ビデオ、パソコ
ン、デジカメ、インターネットなどを活用できる人材育成のため、チラシづくりやビデオ制作などの講義・実習等、東京都生活文化局都民生活部地域活動推進課地域の底力再生事業助成「A地域の課題解決のための取組の事例」
〔記 録〕 地域政策課主任 丹 野 英 二
〔参加者〕 役員 6名、事務局等 4名
〔内 容〕 概要は全体会の発表のとおり
5 休 憩
6 全体会〔会場:第3・第4会議室〕
〔趣 旨〕 分科会討議事項の共有と各分科会の感想や提言を述べ合う。
〔司 会〕 市連長会事務局長 相 沢 良 雄
〔話 題〕 各分科会報告
〔記 録〕 地域政策課企画係主任 丹 野 英 二
〔参加者〕 研修会参加者全員
〔分科会報告骨子〕
●第1分科会(発表者:地域政策課企画係長 佐 藤 一 正)
1.分科会テーマについて考える必要性
○少子化・高齢化により町内会役員や活動の担い手が不足している。
○後継者の育成は活動を活発化させるためには必要不可欠であるし、絶えず人材を発掘することが肝要。
2.どうすれば「現役・女性を含め青年・壮年・老年を考慮する役員構成」を実現できるか
○町内会の行事に初めて参加する人が「楽しい」思えることが重要。
○子ども会と町内会の接点を持つことによって、子どもの親を町内会に取り込む機会が得られる。
○そのためには、防災訓練などを学校行事として実施することなども有効な手段である。
○ノミニケーションによって、勤め先や年齢などの情報を集め、タイミング見て役員に登用する機会をうかがう。
3.特に留意しなければならないことは何か。
○町内会の行事が多すぎて、役員の負担が大きすぎる。
(新たな担い手も「過度に忙しい」と逃げてしまう恐れがある。)
○役員を1年で交替する制度だと、折角良い人材も交代してしまう恐れがある。
4.その他
○会員の悪口を言わない。従業員と同じように扱わない。
○会員にはやれる範囲で参加・協力してもらう。
○会長ひとりで何でも抱え込まない。
○家庭が第一、その次は仕事、最後に町内会。
●第2分科会(発表者:市連長会理事 傳 野 貞 雄)
1.分科会テーマについて考える必要性
○このテーマについては、これまで市内の研修の場になかったが、今後必ず必要になるテーマだ。
○ただ、あまり役職ごとのスキルアップを求めると、却って敬遠されるにようになるので、注意を要する。
○町内会活動が若い人を中心に活発に行われているので、必要性があまり感じられないという意見もあった。
2.どうすれば「役職に応じたスキルアップ(腕前・技術力向上)の方法」を実現できるか。
○副会長、会計、専門部長などの役職ごとの研修会を区連協あたりで主催して行くのが望ましい。
○女性限定の研修会も必要かもしれない。
○この研修を単位町内会や地区連合町内会で開催することも考えられるが、あまり身近な人が話をしても信頼されることが難しい面もある。しっかりとした場での研修だと、視野を広げたり冷静に気づけたりできる。
○実際の研修の実施にあたっては、あまり堅苦しくならないように、愚痴る場、交流の場づくりを中心にやると良い。
○いろいろな役職の中でも、副会長にどのような自覚を持たせるか、どう活用するかということに重点を置くべきではないか。
○青年部の創設により、後継者を育てていくことも大事と考えている。
3.特に留意しなければならないことは何か。
○町内会活動が辛くて大変だというイメージが強く出ているので、あまり大変だということが伝わらないように、楽しくやることを考えていくのが良い。
○若い人たちの活動の場をつくると、町内会活動全体のレベルアップにつながりやすい。
○町内会として、いろいろな研修会に出せるような予算措置などをしておくと良い。
○子どもと町内会の関わりをできるだけ多くすると、にぎやかで活性化されやすい。その意味でも、総会や役員会に子ども会育成会の役員を入れることが大事だ。
○町内会は親睦団体だという受け止めが一般的で、何故スキルアップが必要かとい疑念を抱かれるかも知れないが、基本的なことはしっかり学んでもらう必要がある。
●第3分科会(発表者:市連長会会計理事 山 口 強)
1.分科会テーマについて考える必要性
○町内会のために役立っていることを実感できることは、やりがいにつながる。
○お互いに苦労して町内会活動を支え合っていることや、住民(会員)の方々から、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えられるようになることは、やりがいにつながり、同時に新しい活動の担い手への動機づけにつながる。以上のことを、どうやって確認するかを考えるのは重要である。
2.どうすれば「現任者や初心者の動機づけややりがいにつなげる方法」を実現できるか。
○活動に携わることの喜びを感じ、または感じさせる取り組み方法を発見し、実践する。
○子ども会活動などでも、仕事の関係と思うが保護者の名簿に父親の名前が出ていなかったり行事の世話もほぼ女性だけだったりしているが、ぶらぶらしていたり、やや関心を示す父親たちや定年退職した方々をどう参加させるかが課題。おつまみ研究会や防災ゲーム、飲み会などの場を設けて、知り合いになり気楽に話ができる関係をつくっていく。
○町内会に加入することのメリットを良く問われるが、「(入っていない)あなたにはメリットはないが、(入っている)周りの人にはメリットがある。」と答えるのもわかりやすい説明の一つで、「町内会がなくなると仲間がなくなる。」「町内会がなくなってやっと大切さがわかる。」という答え方もある。
○よく「やりがいが感じられない」という人がいるが、活動を継続している方は、何らかのやりがいを感じているはずで、意識できていないだけと思われるので、成功した時の喜びを感じられるように配慮すると良いのではないか。
3.特に留意しなければならないことは何か。
○町内会の中で世代間の交流が薄いところは、接点づくりに努めてなるべく世代間交流が図られるようにすると良い。
○会長はなるべく先頭に立たない。人をどうつなげるか、人間関係をうまく作ること、スタッフが実行していることをフォローするなどして、足りない分を補足することで、達成感などが出て次のやりがいに結びついていくことも考える。
○やりがいには、やるだけの値打ちがあるものでないと現実味を帯びない。
〔質疑応答〕
特になし。
7 閉 会
掲載日:2015/12/28