● 安全・安心の暮らしのための心の拠り所
平成23年3月11日に発生した東日本大震災で、町内会は、そこに安心して暮らすための助け合いの組織であることが再認識されました。
震災直後、避難所生活を余儀なくされた人々に最も求められたのは、町内会とほぼ同様の役割をもつ避難所運営委員会の設立でした。仮設住宅に移った後も、いち早く求められたのは自治会の設立でした。
● プライバシーを尊重しつつ、向こう三軒両隣で助け合うことが町内会の原点
町内会に加入しているかどうかの差なく避難所の第一線で避難者のお世話をしたのも、安否確認のために町内の家々を走り回ったのも、要援護者の避難支援したのも、町内会の皆様の「向こう三軒両隣の助け合い」の心でした。
● 地域の災害対策は地域ぐるみで
今回の震災でよくわかったことは、前もって地域内各種団体で災害対策会議を開き、訓練を行った地域と、そうしていなかった地域との差がはっきり表れました。日頃からの訓練が災害時の大きな備えとなりました。
● “自助”、“共助”、“公助”の課題
「発災後3日間は自給自足で」を基本に訓練をしていたはずでしたが、今回の震災では、津波被害者や帰宅 困難者を除く避難者の中では、食料等を持参しなかった人が多かったことが課題の一つに上げられます。
先ず、自助・共助があって、次に公助があるということを忘れてはならないと思います。
仙台市連合町内会長会では、「公助」のあり方の改善を求めながら、「自助」「共助」の望ましいあり方が地域全体に広がるように努めていく必要があると考えています。
● 町内会に入っている、入っていないの“差”
今回の震災を境目に、町内会加入が増えたり、防災訓練参加者が増えたりしています。また、未加入世帯にも防災訓練に参加してもらおうと、参加案内チラシを回し始めたりする町内会も出てきました。
町内会に入ると、
(1) 仙台市などからの大事な情報が町内会を通じて確実に入ります。
(2) いざという時の安否確認、助け合いのしくみに入ります。
「遠くの親戚より近くの他人」と言われるのも、町内会のしくみならではです。
● “防災・減災活動”が取り持つ“気兼ねない近所付き合い”
まずは、町内会の“防災・減災活動”(訓練等を含む)に参加しましょう。
その中で、今まで町内会とは無縁だった方々でも、少 しずつ、自分が住む地域に関する様々な情報や問題、逆におもしろい話題などに次第に関心をもつようになるでしょう。
さぁ、あなたが住んでいるところでは、いざという時に直ちに助け合い、支え合いの行動が取れるようになっていますか。その心配はありませんか。また、人頼みや行政頼みになっていませんか。プライバシーを守ることへのこだわりすぎのあまり、いざという時に頼りにできる近隣の人との人間関係づくりがおろそかになると、助け合い、支え合いの人間関係はかなり築きにくいものです。
町内会の存在や意義に対して、より良いイメージが持たれるようにするのも、持てるようにするのも「あなたが主役!みんなが主役!」です。
町内会とは、身近に住む人々が、安全・安心の暮らしのため(互いの安全と信頼の持てる生活のため)に、必要な訓練や話し合いなどを通じて、日頃から決まりごとを確認したり、親睦と交流を深めたり、連帯・団結を深めたり、また、暮らしにかかわる地域共通のさまざまな問題をみんなで協力して解決したりして、そこに住んでいて良かったと実感できるまちづくりを進めていくための自治組織です。